Lovely Child 1章 フィンクスといっしょ♪



「なぁ、なんであいつを拾ってきたんだ?」
それは数年前からクロロが何度もきかれた質問。
クロロの答えることはいつも同じだった。
「惚れたから。」
(……………) 
うっとりとした目に皆、その時は弱冠引いていた。
しかし時が経つにつれてクロロのいった意味がわかってきた。
はかわいい。
初めて会ったときもかわいかったが、
成長するごとにさらにかわいさを増している。
が笑うごとに不覚にもときめく者数名。つられて笑う者数名。
皆、間違いなくに惹かれていた。
最近は子供にそんな感情を抱いて良いのか、
なんて疑問もほぼ消え去っている。
いや、むしろこれでいいのだ。
自分の気持ちに正直に生きよう。
俺たち、ボクたち、私たち、みんなあなたが大好きです。

v」
「なぁに。」
声をかけたのはフィンクス。
は振り向いたあとに背丈と体勢の都合上、上の方を見た。
上目使いがすんごくかわいい。
フィンクスは胸が軽く打たれるのを感じた。
「ちょっとこっちこい。」
「うん。」
はとことことフィンクスへ連れられていった。
そんな2人を見て目がギランと光るもの数名…フィンクス危うし。
しかし、そんなことは露知らず、フィンクスは少し歩いたあとに、
ちょうどいい空きスペースを見つけてそこに座った。
そしてを後ろから抱え上げ、自分のひざの上に置いた。
「?」
は、なぜこんなことをされているのかはわからなかったが、
別に嫌なことではなかったので特に抵抗せずにいた。
「あ〜、やっぱ気持ち良いぜ〜。」
フィンクスはの細い身体に腕をまわして、
その柔らかな髪に顔をうずめていた。
は少しくすぐったいと思いながらも、足をブラブラさせるだけだった。
花のような甘い香りが鼻をくすぐり、
ほんのりとしたあたたかさがフィンクスを至福の空間へと導く。
まさに天国、夢のようなひととき。
しかし、幸せにひたっていたその瞬間、他者の攻撃は来襲した。

パコーン!

フィンクスの脳内に響く大きな音と激しい痛み。
一冊の本(by団長)がフィンクスの頭にクリティカルヒット!
突然の出来事に、フィンクスは後ろにつんのめりになって倒れた。
「いってぇ…。」
少しの間、痛みで動けなかったが、頭を押さえながらやっと身体を起こす。
するとまた、今度は次々にいろいろなものが飛んできた。
それは全てフィンクスにのみ命中し、フィンクスは再び同じように倒れてしまった。
その間、まったくの無傷だったは呆然とその近くで立っていた。
やがて倒れているフィンクスに気を向ける
「どうしたの?」と声をかけようとした。
しかしそのとき、シャルナーク達にトランプに誘われた。
すっかり気がそちらにそれてしまった
フィンクスをほったらかしたまま、シャルナーク達の方へ行ってしまった。
のそのときの返事はとても輝いたものだった。
後に残されたフィンクスには倒れたままにもかかわらず、
誰も心配する者はいなく、しかも冷たい言葉が降っていた。
になにするね。」 「セクハラするんじゃねぇよ。」等など。
「お…まえ…ら…。」
フィンクスは天井をぼんやりと見ながら、仲間のしたことについて嘆いた。

あわれフィンクス、…合掌…。

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あとがき

なぜ1章からフィンクスドリーム…。珍しいですね…。
まぁ、痛い目にあってもよさそう、痛い目が似合いそうなキャラを選んだだけなんですけどね。


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