〜誕生パーティ with me 前編〜

 

7/7、午後7時、宴は始まろうとしている。

キルア「今夜はゲストがいるんだってな。」

ゴン「それだぁれ?」 

なぜか上目遣いで尋ねるゴン。それは声と共に犯罪的な可愛さであった。

キルアはその妙な可愛さに思わず目を丸くした。

クラピカ「それはな…もちろん。」

我らがヒロイン、!!

「どうも〜♪」

突然の思い人の登場に思わず皆から感嘆の声があがる。

しかし惚ける3人とは少し違うキルア。

キルアは衝動が即座に湧き上がり、すぐさま行動を起こした。

キルア「!会いたかったぜ!!(抱きっ)」

「きゃっ!」

はキルアに抱きしめられ身動きが取れなくなった。

皆の人気者が本日の主役に抱きしめられている。傍目には実にラブラブに映る。

ずっとこうしていたいなとキルアは思った。

しかし周りには、そこで何もしないような神経を持ちあわせている人間は残念ながらいない。

クラピカ「やめないか。が迷惑してるだろう。」

クラピカが2人の間に割って入ろうとした。

2人の目の前にあるクラピカの腕は織姫とひこ星の間にある天の川のように

2人をしっかりとこれ以上近づけないようにしていた。

そしてさらなる一言。

ゴン「キルア…その体勢じゃケーキ食べれないね。じゃあキルアの分はオレがもらっておくね♪」

とたんキルアの目の色が変わる。

キルア「…ちっ…しょうがねぇなぁ…。」

やはり甘いものには弱いよう。

そしてキルアは渋々とを放し、テーブルの方を見た。

テーブルには大きなケーキと豪勢な料理が乗っていた。

一応皆で作ったのだが、おいしそうに見えて実は案外恐ろしいものかもしれない。

なんせケーキの担当はケーキ作り失敗経験のある人間が担当だ。

ちなみにその人間はとある都合によりここにはいない。

まさかゴムまりになってないだろうな。

そんなことを考える者が少しいたが、レオリオの「とっとと始めよ―ぜ。」の一言でパーティは始まった。

4人「キルア!お誕生日おめでとう!!」

キルア「サンキュー♪すっげぇうれしいよ。」


さて目の前に置かれたるは特大ケーキ。

男4人はそのケーキを先ほどからずっと深妙な目で見つめている。実に奇妙な光景だ。

は困ったようにそれを見ていたが、やがての方が耐え切れなくなって男たちに声をかけた。

「あの…そんなにケーキ見つめてどうしたの?」

クラピカ「いや…危険性がちょっとな…。」

キルア「(うんうん…。)」

そう、やっぱり。男4人はケーキが大丈夫なものかどうか凝視していたのだ。

「危険性?…よくわかんないけど私も手伝ったんだから食べて欲しいな。」

キルア「マジ!なら食う!!」

クラピカ「がそう言うなら…。」

レオリオ「なら中和されてるな♪」

天の声「中和って…私はただちょっと自信がなかったから、

さんをお誘いするついでにケーキ作りに参加してもらっただけなのに…。」

ゴン「いっただっきまーす!!」

全員「いただきます。」

もぐもぐもぐもぐ、パクパクパクパク、ごくごくごく…。

キルア「うめぇ!さすがだな!!」

レオリオ「だな〜。やっぱ女の子だよな〜。」

「ども、ありがと…。」

は少し照れたふうに礼を言った。皆もそのかわいさに思わず照れていた。

そしてほかの料理も少しずつ手をつけられ始めた。

ゴン「これ見た目変だけどおいしーね♪」

「そうなの?私も食べてみようかな?」

クラピカ「(変?)あぁ、それはクルタ族伝統の料理なのだよ。」

が自分の作った料理に注目していることで、自信ありげに言うクラピカ。それとは対照的に、

レオリオ&キルアは「それ本当にうまいのか!?」

と謎の料理を恐る恐る見ていた。

(うーん、これ材料何使ってるんだろう…?)

そんな風に皆が謎の料理に夢中になっていると、ここにいる5人以外とは別の声が聞こえてきた。

???「ウーン、これ結構美味しいネェ…v」

その特徴のありすぎる奇妙な声に皆は驚き、いっせいに声の上がった方向を見た。

全員「ヒソカ!!」

ヒソカ「やぁv」

クラピカ「招いた覚えはないんだが? 」

ヒソカ「奇術師は何でもお見通しなのさっv(というよりゴンとに会いに来たんだけどねv

ヒソカは不敵な笑みとさらっとした速さの声で答えた。

皆はヒソカの不気味なオーラのせいかなぜかヒソカの言葉に反論ができなかった。

さらによく見るとヒソカはとても大きな箱を持ち込んでいた。

キルア「なぁ、それなんだ?」

キルアはその大きな箱を指差した。まじまじと見てみるとなんだか嫌な予感がした。

ヒソカ「やだなぁ…キミへのプレゼントに決まっているじゃないか…v」

キルアはヒソカにぎらっとした視線を送られた。さらに悪寒が走った。

ヒソカ「良かったら開けてみてよv」

キルア「いや…やめて置く…。」

ヒソカ「でもかわいそうだよv」

(かわいそう?ヒソカが?それとも…)

ヒソカ以外の皆はその箱の中味を不思議に思い始めた。

すると黙ってその箱とヒソカを交互に見ていたが恐る恐る口をはさんだ。

「ね…なんかあれちょっと動いてない?」

そう言われて見てみると、その箱が弱冠がさごそと動いているのを5人は見てしまった。

(動いてるー――ってことは生き物だぁー――――!!!)

そのうえ、さらに箱の中からひょうひょうとした声が聞こえてきた。

???「ねぇヒソカ、もうそろそろでていい?」

ヒソカ「別にいいけど。」

(しかも人間だぁー――――!!!)

ヒソカ以外の人物は驚きのあまり心の中で思いっきり叫んでいた。

一方、キルアはその声の主が誰なのか気づいたらしく、即座に逃げようとしていた。

しかしその瞬間箱は破壊され、中から出てきた人間がキルアを捕えた。

ほんの一瞬のことだった。

キルア「兄貴…。」

4人「イルミ!!」

箱の中から出てきた人物はキルアの兄貴、イルミだ。

イルミ「キル、無駄だよ。オレから逃げられると思っていたのかい?」

キルア「別に…。」

イルミはキルアの腕をつかんだままキルアを見下ろしていた。

キルアは一昔前よりはマシなもののやはり冷や汗が流れていた。

イルミの貫かれるような視線がキルアの背中に突き刺さる。

キルア「……………。」

すると、それを見ていたゴンがキルアのピンチを救おうとした。

ゴン「イルミ!キルアをはなしてよ!そのままじゃパーティできないよ!」

クラピカ(ゴン。最後の一言は余計だと思うんだが…。)

キルアに向けられていた冷たい視線が今度はゴンに向けられた。

ちくちくちくちく、感情が読み取れなくて痛かった。

イルミ「…まぁ別に良いけど。」

そう言うと、イルミはキルアをつかんでいた腕をあっさりとはなした。

「じゃあヒソカとイルミも一緒にキルアの誕生日を祝おうよ。」

(え?)

数人不服のものもいたが、やはり笑顔のに逆らえるはずもなく、

仕方なくパーティ参加者に2人を加えることになった。

友好的な少女。それゆえ人気が高いのだがかえって困ることもある…。

ヒソカ(やっぱり彼女も可愛いネェ…vボク迷っちゃうよv)

そんなこんなでごたごたは何とかおさまり、パーティはヒソカ&イルミを含んで再開した。

そうして一応皆楽しそうにパーティの夜はふけていった…。

つづく



あとがき?


ヒソカの登場のところ。???にしなくてもトランプマークでまるわかりじゃん。

クラピカ「しかもところどころキャラが出なくなっているぞ。」

レオリオ「特にオレがな。」

キルア「もっとオレととのいいシーンくれ〜。」

しづき「…ま、続きをお楽しみに…。(ヒソカ&イルミ出してたら長くなっちゃった…。)でもレオリオをここでたくさん出すのは無理。」

レオリオ「無理って…(怒)」


2003/6.書き直し。


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