〜誕生パーティ with me 後編

 

ゴン「う〜、オレおなかいっぱい〜。」

クラピカ「料理もほとんど食べたし、もうそろそろお開きにするか?」

キルア「え〜オレととのラブラブタイムは〜。」

「らぶらぶ…?」

イルミ「ふーん、そうなんだ。じゃあさ、とキルアで外で星でも眺めてきたらどう?

     今日は晴天だから多分綺麗に見えるんじゃない?」

クラピカ「イルミ!貴様、何を考えている!?」

レオリオ「何ってそりゃ…なぁ?」

なぜかにやつくレオリオ。

ドスッ!!

そんなレオリオの腹にクラピカのパンチがヒット!!

っていうか2人とも何考えてるんですか?

しかしそんな2人のことは気にせずには迷っていた。

「…あ、でも片付けが…。」

ヒソカ「片付けなら他の人たちがやってくれるよ、ね、イル…v」

ヒソカがイルミの方を見たが、視線の高さにイルミはおらず。

不思議に思い下を向くと、イルミが壁にもたれかかっているのが見えた。

どうやらあの直後、すぐに眠ってしまったらしい。

ヒソカ「なんだ、寝ちゃったのかv…じゃあゴン…ボクと一緒にお片づけしようよv」

「ヒソカと一緒にお片づけv」…あまり響きの良いものではない。

ゴン(ぃやーーーーー!!)

ゴンの静かな叫びはヒソカのオーラによって消え失せた。

そして2人は半ば無理やりキッチンへと消えていった。

残された人々はただただゴンの安全を願うばかりだった。

クラピカ「キルア…に何かあったら承知しねぇぞ。」

クラピカとレオリオの顔はかなり引きつっていた。

キルア「…じゃ、行こうぜ。」

「う、うん…。」

そうしてキッチンに再度視線を送ったあと、2人は外に出た。


キルア「んー。いい空気だなー!」

目を細めてのびをして、肌に纏っている空気の気持ちよさを感じる。

「そうだねー。それに星も綺麗♪」

キルア「本当だなー。」

「うん。」

2人はしばらく空を見上げていた。

夜の空は、闇色のボード。

それに相反する色の星があちこちにちりばめられて、

闇をしつこくない程度に飾り立てている。

また、ときおりそこから風が舞い降り、2人を優しくくすぐる。

たくさん星の見える夜空は目に心地良く、心に優しい。

広大なこの世界、ここにいる2人が1番幸せだ。そんなことさえ思えるほどに…。

「あっ!」

ふとが何かを思い出したような声を出した。

キルア「どうしたんだ?」

はばつの悪そうな顔をしていた。

「あ…あのね…。」

下を向いてどもった話し振り。何か話しづらいことがあるのは見え見え。

キルア(わかりやすい奴…ま、かわいいけどさ。)「何だ?言ってみろよ?別に怒ったりしないからさ。」

「うん…。実は…」

キルアはいくぶん優しい目でを眺めた。

キルアがこんな優しい目が出来るようになったのは、

きっとゴンという友達とという愛しい人がそばにいるからだろう。

幸せというのはこのことを言うんだろうか。

キルア「実は?」

「…キルアの誕生日プレゼント持ってくるの忘れちゃった…。」

そう言うは落ち込んだ子犬のようで、しゅぅんという効果音が聞こえてきそうだった。

マジ可愛いんですけど。

…それでも何とか理性を押さえ込んだキルアは少し考えた。

そういえばパーティ内ではヒソカのプレゼントでごたごたになって、

アレ以来、プレゼントを渡す機会というものが特になかった。

キルア「なんだ、そんなことか。別にいいぜ。こうしてが横にいてくれるだけでオレ幸せだもんな♪」

にこっと笑うキルアにウソが見えない言葉。

それを聞いた拍子にの鼓動がかすかに鳴った。そして改めてすまなさを感じた。

「でも…。」

キルア「いいって。…でもどうしてもと言うなら目ぇつむって。」

(?)

は不思議に思いながらもとりあえず目を閉じた。

数秒後、唇に柔らかな感触を感じた。

「んーーーーーーー!?

急激に頭に血がのぼり、はキルアに抵抗することができなかった。

苦しさで目を開けたかったが、この状態からすると

キルアの顔が目の前にあるのではと思い、それも出来なかった。

しばらくして唇が離された。

「はぁ…はぁ…」

は深く息を吸い込んで、足りなかった酸素を時間をかけて手に入れた。

そのあとキルアの方を見た。

天使のような悪魔の笑顔がそこにはあった。うっかりみとれた。

キルア「の唇ゲットv」

「な……。」

は顔中真っ赤になって、手で口を覆った。

しかし、満天の星が辺りを照らしてくれるせいでの動揺は隠しきれなかった。

それを見ながらキルアはいつのまにやら意地の悪い笑みを浮かべていた。

「綿菓子の材料って黒砂糖だったっけ?」(甘くて黒い)と思わせるような笑み。

キルア「てことでからのオレへのプレゼントはオマエな♪」

「てことでってなに…。」

キルア「いいじゃね〜の。」

「うぅぅ…。」

はうつむきながら、プレゼントを忘れたことをすごく後悔した。

そんなこんなではその後もキルアに振り回され続けた。

少しだけ、あとが恐ろしいのはどこかに置いて、とりあえず幸せなキルアだった。

HAPPY END?



あとがき 〜脇役たちのその後〜


キルア「ところでそのあとお前らどうなったんだ。なんかオッサン死にかけてるけど。」

レオリオ「うぅ…。(苦)」

クラピカ「レオリオがイルミを別室に運ぼうとイルミに触れたら攻撃されてな…。」

キルア「あぁ、ゾルディック家の者は、睡眠中に不意に触れられたら、敵襲とみなして攻撃するようにインプットされてるから。(にしてもよく生きてたな…。)」

レオリオ「なんとか手当てはできたからな…。にしても本当に死ぬかと思った…。」

イルミ「ならトドメさそうか?」

キルア「勝手にしろ…そういやゴンは?」

ヒソカ「ゴンならボクがたぁっぷりと愛を込めて…v

ゴン「オレもうやだ…。なんでヒソカと手取り足取り洗い物なの…(涙目)。」

キルア&クラピカ&レオリオ(手取り足取り…。)


2003/6.書き直し


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