「んと…クラピカかな…。」 キルア「え〜。」 クロロ「本気…なのか?」 いつの間にやらの手を取り、見つめながら囁くこの人。 それでもはひるまず肯定の返事をした。クラピカはが自分の名前を言うまで、どこか不機嫌な表情をしていた。 しかし自分が選ばれたとわかったとたん、少し驚いた顔をしたあと柔らかく微笑んだ。 確実な喜びを手に入れたからだろう。クラピカ「行こうか。」 「うん!」 シャルナーク「…ところで、選ばれなかった者はどうなるの?」 管理人「それはね、旅団女性陣特製手作り弁当を食べ…」 シャルナーク「ごめんっ!オレ急用が…。」 シャルナークが思い出すのは、以前旅団女性陣の料理でとても苦しい思いをしたこと。(CDより) 管理人「せっかく作ってくれたのに!…ってその隙にキルア逃げるな。」 キルア「ちっ。」 そのときクロロはまだクラピカとが去った方向を呆然と見ていた。 場面は変わってクラピカ&サイド。 クラピカ「ん…卵焼きにたこさんウインナ、おにぎりにうさぎのリンゴか。 弱冠足りない栄養素があるが彩りは良いな。」
「…とにかく食べてね。」 クラピカ「あぁ。」 クラピカはお弁当を食べ始めた。 は少し緊張した面持ちでその様子を見ていた。クラピカが一息つくころにはお弁当の味を尋ねた。 「おいしい?」 クラピカ「…少し甘めの味付けだがなかなかいい味だな。」「そっか、良かった♪」 は安心して軽く笑った後、たこさんウインナをぱくりと口へ運んだ。 少しして、夢中になってお弁当を食べているにクラピカは少しうつむきながら話し始めた。クラピカ「それにしても私は…情けないな…。」 「何で?」はクラピカの方を見た。しかしクラピカは何も反応せずにそのまま話し続けた。 クラピカ「お前のこととなると情緒不安定になって…。 お前のそばに他の男がいると落ち着かなくてしょうがないんだ。」
「…まぁ…周りもああだからしょうがないんじゃない?」 確かにあれだけ口説かれる様を見ていれば誰でも気にはかかるだろう。ただ、クラピカの想いは大きい。想いが大きいほど心に余裕がなくなる。 クラピカ「私の中の旅団への怒りはこんなものではないはずなのに…。」 クラピカは髪に指を絡ませながら頭を抱えた。髪型が少し乱れる。「……………。」 は哀しそうな顔をした。それは自分のせいだから。 クラピカの言葉に最初は照れていたが今はそんなことできなかった。クラピカが本当に悩んでいることがひしひしと伝わる。 言葉が出なかった。いや、何も浮かばなかった。頭の中が遮断されたようだった。は発作的に、それでもやさしくクラピカを抱きしめた。 「ごめんね…。」その言葉にクラピカははっとした。 クラピカはそれまで自虐的になっていたが、に抱きしめられてその言葉を聞いたとき 自分の言ったことが大好きな人を哀しませている、そう察知した。 頭の中が混乱してきた。ぐるぐる回っているような錯覚を覚えた。 クラピカ(私は何を言った?なぜはこうしている?私は何を―――――)クラピカ「すまない!」 は突然間近に聞こえてきた大声に対して目を見開いた。 クラピカ「本当にすまない…。」 そして次は絞り出すような小さな声でを強く抱きしめ返した。にはかすかにクラピカが震えているように感じた。 今のにその理由を確証することはできないけれど、なんとなくすべきことはわかった気がした。「大丈夫だよ。それに…」悪いのは私だし、そうつぶやき微笑みをクラピカへ見せた。 クラピカ「いや、そんなことはない…。」 「あるの。」 クラピカ「…では、そういうことにしておくか。」 いつの間にかクラピカは顔を上げを少し上から見ていた。 しぱらくしてふとがもう一度笑った。目の前のクラピカに対して、飛び切りの笑顔で。クラピカもそれに答えるように飛び切りきれいな笑顔を見せた。 もう…心配ないかな、と思いながら。 誰もが魅了される笑顔が二つ、お互いに好きあっていることを知る者はどれだけいるのでしょうか? ---END--- |
あとがき
クラピカ編完了!
クラピカ「どれもパターンが同じようなものなのだが?」
しかたがないです。 流れから言って全く違うものは作れません。
クラピカ「しかも何で私だけ妙に情緒不安定なんだ?…律する小指の鎖!」
ううううう…、なんとなく…。
クラピカ「もういい…。(聞くだけ無駄だった…。)」