さぁ、召し上がれv


2/14、聖バレンタインデー。
ほとんどの現代人には言わずとも何の行事かわかるだろう。
ほらここにも一人がんばっている人が…。

「ん〜♪」
チョコを刻んで湯銭にかけて、溶けたら入れよう。
生クリームに洋酒に、魔法のエキスとたっぷりの愛!
「あとは仕上げに…v」

2/14の昼下がり。
満面の笑みを浮かべる男と怪訝な表情を浮かべる女がいた。
「はい、どうぞv」
「………………。」
「遠慮しなくて良いよv」
そういわれたもののの表情は変わらない。
それどころか彼女はますます眉をひそめた。
「いや、どうつっこんだらいいのか…。」
「いやだなぁv知らないのかい?西洋では男から渡すこともあるんだよv」
「そういうことじゃなくて…。」

彼女が見つめるのはほぼ一点。
としてはそれがバレンタインチョコであることを
否定したいヒソカの様子。

チョコにまみれた彼の手。

しかも、もう一方の手にはチョコの入ったボウルが乗っている。
あの中に手をつっこんだと言うことが手に取るように理解できる。
「はいv」
「いらない…。」
差し出されたチョコまみれの手には一歩後ろに引いた。

「ていうかそのチョコの意味は何?」
あきれた表情でつぶやく
ヒソカは待ってましたと言うようにその問いに答えた。
「これはねvこの手を取ってどこまでも、
生涯一緒に添い遂げようと言うボクの熱い想いが…v」
「余計いらない。」
の言葉は冷たかった。
「生涯添い遂げる気なんか全くないし。」
しかしヒソカはめげない。
「それは大丈夫v君がこのチョコを食べれば問題はなくなるよv」
(なくなっちゃ困る…ん?)

「食べればって…」
ふとはピンときた。
普段からヒソカに付きまとわれているせいか、
はときに感が鋭いときがある。
「何か盛った?」
数秒間の静けさ。
「…ちょっと、ボクの愛を無条件で受け入れたくなる薬をv」
反射的に2〜3歩下がる
しかしその差はすぐに埋められる。
迫り来るヒソカ。
背筋に悪寒が走りぬける。

「さぁ、ボクの愛を召し上がれv」

「いやぁーーーーー!!」

…その後、はしばらく茶色い魔物が夢に出てきてうなされたとか。


---END---



あとがき

なぜこの日にバレンタインドリーム…。
しかも書いたのは2/13(実習前日)です。唐突に思いついたのですよ…。
キャラクターのバレンタインイメージを考えていて、ヒソカならどこかおかしいだろうと思いました。


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