壊れた誕生日

注:ラジオネタ、声優様ネタが入っています。

俺、レオリオ。
梅の咲き誇るこのごろ、今日は3月3日だ。
ここで懸命なるHUNTER×HUNTERファンの方なら
お気づきになることはあるだろう。
そう、この俺、レオリオの誕生日だ!

こんな特別な日、俺はもちろん愛しいの元へいるのだ。
「なぁ、今日は何の日だか知っているか?」
ここで俺は、が俺の誕生日のことを真っ先に答えてくれて、
そこから甘ーい雰囲気になることを期待した。
しかし現実は甘くなかった。
「ひな祭り。」
…まぁ、それはしょうがないであろう。
あいつは女だし、スーパーではひな祭りの歌が流れていたし、
俺もお祭り気分だ。

そう思い、俺は気を取り直してもう一度尋ねてみた。
「他には?」
「耳の日。」
そういえばそんな日もあったな(注:医者志望)。
ていうか、さっきから目がこっちを見ていないんだよなぁ。
「で、他には?」
今度こそ俺の誕生日だ!
そう意気込んで、今度は身を乗り出して尋ねてみた。
目は期待に満ちているのできらきらだ。
しかし次のの答えを聞いたとき、その様子は一瞬にして変わった。

「………おわり。」
「待てコラ。」
さすがの俺も少しキレそうになった。

「そういえばねー。」
話そらすか。
そう思ったけれど、やっとがこっちを見てくれたので
とりあえずはの話を聞くことにした。
「これ見てよ。」
が指をさした先にはひな飾りがあった。
赤いひな壇の上に立つ、かわいらしい人形と飾り物。
近づいてよくみるとそれは手作りの物のようだった。
「作ったのか?」
「うん。」
俺はそれに興味をもち、一番上にあったものを手に取ってみた。
「へー、なかなかうまく…ってこのお内裏様、俺か?」
俺は手にあるお内裏様が俺を模した物だということに気づき、
笑みを漏らした。
そしてさらに思った。
お内裏様が俺なら、お雛様はそりゃやっぱりこいつだよな。
目線の先には
俺はにんまり笑うと、お雛様を優しく手に包み込んでそれを笑顔で見つめた。
その瞬間俺は固まった。

「な…ん、で、ヒソカなんだよぉー!?」
なんとお雛様はヒソカを模したものだった。

「だってレオリオ、クリスマスはヒソカと過ごしたんでしょ?」
「それはラジオのネタだぁー!!」(2002年最後のH×HRより )
俺はこのありえない冗談に驚きと怒りを込めて叫んでしまった。

「て言うか一緒に過ごしただろ!クリスマス!」
「そうだっけ?…と見せかけて実はヒソカと…」
「過ごすかぁー!!」

そんなこんなで俺はややへこみながら
に皆の集まるところへと連れられた。
「オッサンおそいぞー。」
そこにいたのはゴンとキルアとクラピカ。
皆、俺の誕生日を祝いに来てくれた…はずだ。
まぁ、キルアはケーキを食べに来ただけかもしれないが。
ケーキといえば、まさかひなケーキじゃねぇだろうな…。
そう思い、俺は期待せずにいぶかしげにテーブルを見た。
この際、ひなケーキでもいい。

しかし現実はもっとひどかった。
どんなケーキかといえば、ろうそくだらけ。
40本以上のろうそくがケーキにびっしりと刺さっているのである。

「これは声優さんの年齢だぁー!!」

懸命に叫びながらも、俺はなんだか目頭が熱くなるのを感じた。

「だって…ナイスミドルなんだよ?」
「それはわかってる。俺だって将来は
ああいう素敵なおじさまになりたいと思っているんだ。」
潤んだ瞳で訴える、その肩をつかむ俺。
しかし話の内容がアレなので、ロマンスにはならない。

皿の上には砂糖菓子(マジパンといったか?)やチョコレートが
乗っているものもあった。
おそらくろうそくをケーキに刺すためにどけておいたのだろう。
俺はそのチョコレートに着目した。
バースデーケーキといえば
ケーキやチョコレートの上にメッセージが書かれているものだ。
ケーキ自体はびっしり刺さったろうそくのせいで
すでになんのケーキかわからなくなっていた。
だから俺はここくらい、俺の誕生祝の名残が残っていないかと
思い、そのチョコレートを見たのだが。

『レオリオ…幸せ?』

チョコレートにはなぜかそう書いてあった。
なんかもう、渇いた笑いしか出なかった。
「あぁ…幸せだよ…。」

注:ひな人形もケーキもチョコレートもやったのはすべてです。

一方。
立ち尽くすレオリオを尻目に話すのはキルアとクラピカ。
「オッサンもたいがいに毒されているよなぁ。」
キルアが意地の悪い笑みをたたえながら声を出した。
「どういうことだ。」
「だってさ、あのケーキ。普通はオッサンがふけ顔だからやった
くらいしかおもわねぇ?声優まで出たのってオッサンだけなんだよ。」
クラピカはそれを聞きはっとした。
「なるほど…。」
「だろ?」
「確かにミスターしぶちゃ氏はナイスミドルだからな…。」
「クラピカ…。」
キルアはあきれた顔でクラピカの名をつぶやいた。
「ねぇ、早くケーキ食べようよ。」
そして、何の気兼ねもなしに話すゴンは、
どうやらこのふざけた状態を大して意識していないようである。

キルアの言っていること。
(ネタがわかる=)つまり、とレオリオはそれだけ仲が良い、ということ。

+おわり+


あとがき

どんどんひどい方向に行ってるなぁ…。なにより祝ってない(オイ)。
レオリオ誕生日祝い、変なネタしか思いつきませんでした。
*レオリオの声優様=郷田ほづみ様=ミスターしぶちゃ(H×HR内レオクランド内キャラクター)。


3/3 レオリオ☆HappyBirthday!!



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