口は災いの元

 

「ねぇねぇキルア。」

それはある春の日、2人でのんびりしていた時のこと。

キルアはの隣で携帯用のゲームで遊んでいた。

「ん〜…何だ?」

キルアは目はゲームに向けたままで、の言葉に対してそっけない返事を返した。

そのときは自分も本を読みながら言ったことなので、

キルアがこちらに集中しないことには気にしないようにした。

「もうすぐゴンの誕生日だよね?」

「あぁ、そうだな。」

「プレゼントさ…どうする?」

しかし、すかさず返って来た答えはこうだった。

「決めてねぇ。(即答)」

「………………。」

の目が本からキルアへと向いた。

「あのねぇ…。」

「んなこと言われても、オレ、人にプレゼントなんてあげたことねーんだよ。」

「そっか…。」

はふと、キルアの育ちのことを考えてしまった。

しかしそのことを出来るだけ顔に出さないように、再び本へと目を向けた。

キルアは相変わらずゲームに集中していた。

はよくゲームオーバーにならないものだと

妙な感心をしてから、ゴンへのプレゼントを考えた。

「何が良いかな〜。アクセサリーとかは興味なさそうだし、

釣りの道具なんてよくわからないし…。」

独り言をつぶやきながら、はプレゼントになりそうなものを次々とあげていった。

最初、キルアはゴンへのプレゼントの話なんてどうでも良かった。

それよりゲームを進ませることの方に集中していた。

しかしの独り言があまりにも気にさわるので、(それがゴンの話ならなおさらだ。)

さっさとゲームを終わらせようとした。

は相変らずゴンへのプレゼントに思案を巡らせていた。

「何が良いか…。」

(いつまで考えているつもりだよ…。)

キルアはわけのわからないいらだちを感じつづけていた。

・・・・・・・・・・・・・・・(怒)

そのせいか、ついとんでもない言葉を耳打ちしてしまった。

「…お前なんてどうだ………?」

とたんは顔を上げた。

ほっぺの赤い顔がキルアの目の前にある。

なんておいしい状況。

しかしキルアはが今にも憤慨しそうなのを察知したため、

とりあえずはこれ以上手を出すのをやめておいた。

「な・な・何を言ってるのよ〜!」

ほら、今にも湯気が出てきそうな状態なんでね。

「だいたいゴンにそんなこと言ってもわかるわけないじゃん!!」

そんなに赤いとりんご病に間違えられるよ?

キルアは納得したふりをして少し考えた後、さらに一言言った。

今度はの顔をこちらに引き寄せて。

「じゃあ、オレがもらうか。」

なんたる爆弾発言。

は自分の心に垣間「ぼんっ!」という音が聞こえた気がした。

心臓が大きく跳ねる。

そのあいだもキルアはを見つめている。

しばらく沈黙が続いていた。

(キルアの目がキラーンってしてるよ〜。まじっすか?)

は思わず別キャラの口調が頭の中に浮かんでいた。

動揺して固まりかかっていた。

キルアはそんなに対し、心の中で笑い口付けを交わそうと試みた。

しかしその瞬間、ぱぁん!!という音と衝撃が自らの頭に響きました。

つぅ…どこからハリセンを…。」

なんとまぁはハリセンでキルアを叩き、

むりやりキルアの呪縛を解いてしまったのだ。

「真面目に考えてよ!」

はそう言い残し、足早に去っていった。

しかしキルアはの怒りを気にすることもなく、

「ほっぺ赤いままじゃん。かわい〜vv」

と懲りてない一言をつぶやくのだった。

一方は別の部屋に行き、やっと一息ついていた。

「んもー、キルアったら何てことを言うのよ。」

やはり先ほどのことに対して怒っているようだ。

そしてしばらく愚痴っていた。

長々と愚痴ったあとに、やっと顔の熱が治まってきた。

(ふー…。)

そして一つ深呼吸をして、何となく寝転んで天井を見た。

するとある一つの妙な考えが浮かんだ。

(本当にゴンに言ってみたらどうなるだろうか…?

ちょうどキルアにからかわれたことだしね…。)←やつあたり

そのときの口元は自然に笑みを浮かべていた。

5月5日、ゴンの誕生日。

みんなで誕生日パーティをしている最中、突然は軽い口調で爆弾発言を言った。

「誕生日プレゼントはワ・タ・シvv…なんてどう?」

そのとたん、全員が固まった。

みんなの目は一斉にこちらを向いていた。

はその妙な視線に気づき、無意識に冷や汗が流れた。

(あれ?…あれれれれれ?)

ふと、気がつくとゴンがにっこりと笑っていた。

はそれにより一瞬いやなものが一掃されたように感じたが、

ゴンの言葉を聞いたとたん、再度固まってしまった。

「うん!ありがとう!!」

「お前意味がわかって言ってるのか?」

キルアはおそるおそる(天然ってある意味・・・恐いんだよ。)聞いてみた。

は自分がしでかしたことをやっと理解してきた。

どうしよう…と混乱した頭で考えていると

さらにゴンが無邪気な笑顔でとどめを刺した。

がオレのお嫁さんになってくれるってことでしょ?そしたらずぅっと一緒だもん!

あ、もちろんキルアとも一緒だよ!」

(オレとも一緒なのはともかくととして)「はオレのだ!!」

(うわーーーーーーーーーー!!)

そしてキルアとゴンは言い争いに突入してしまった。

「違うよ!オレのなの!!」

「違わねぇ!!」

一方はなぜかレオリオに励まされていたり、

「言葉は選んだ方が良いのだよ!…だいだいは…」

とクラピカに延々と説教をされていた。

!聞いているのか!!」

(もう…どうにでも…)

……バタン!……

--------------------------強制終了---------------------------




あとがき


ゴンの誕生日ものを書こうとして、なぜか相手がほとんどキルアになってしまいました。

ゴンで恋愛ものって私にはちょっと難しいから・・・。というかキルアが一番良い・・・。

さらにイルミものも書けないんだよなぁ・・・。イルミ〜。



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