ケンカするほど仲がいい

 


何だってオレはアイツに惚れたんだ。ワケわかんねぇ。




アイツの名は

一応オレの恋人なんだけどよ、コイツ、オレの神経をひどく逆なでしやがるんだ。

だいたいオレの理想のタイプはボン・キュ・ボンのお姉様だったはずなのに、

なんであんな胸の小さいガキに…それによ…。

今日もそんなことを周りの奴に(今回はキルア)に愚痴っていたら、キルアは、

「文句があるならオレにゆずれよ。オレが育ててやんぜ〜、リ・オ・レ・オ♪」

なんて言いやがった。ニヤニヤした顔でな。ていうかその手のあやしい動きは何だ!?

「それはオレの役目だ!」

オレは瞬時にむかつきを感じ、そう返してやった。もちろん手の動きも忘れずにな。

するとキルアはその顔のまま、納得したしぐさをして、珍しくすぐに離れていった。

オレは嫌な予感をぬぐいきれなかった。

(やべ、人選誤ったかな…。)




案の定、はオレを見るといきなり

「胸が小さくて悪かったなぁ〜!!」とヘッドロックをかけてきた。

…な…に…しやがん…だ…。」

くそぅ、キルアの奴め。「レオリオのスケベ〜!!」なんて言われてるじゃねぇか。

頭にしがみつかれるとコイツ、足がつかねぇもんだから、全体重をかけてジタバタしているはずだ。

…あまりの苦しさにオレはマジで天国へオチてしまうかと思った。


だいたいはこういうとき全然手加減をしねぇ。

なんせ自分はか弱い女の子だと思いきっている。そのせいでタチが悪い。

たしかにオレらと比べると充分力は弱いのだが、

だからといって本気で乱暴していいかと言うとそれは間違っているだろう。

そう、今度はクラピカに愚痴をもらしていた。

するとクラピカは問答無用で「レオリオが悪い」とにらんできた。

しかもオレが長々と話していると、

を傷つけたら承知しないからな。」

とご自慢の小太刀(初期の武器)をオレの首スレスレにまで近づけてくる。

当たり前のように刃はちゃんとこちらを向いている。

クラピカ…目がマジで恐いんですけど。(汗)

……あ〜あ、結局みんなアイツの味方なんだよな。

オレは無理にでも肯定的な返事をするしかなかった。




は周りとは仲が良く好かれている。例えばキルアとはよく遊ぶし(気が合うらしい)、

クラピカを尊敬しているし(無駄に知識多いからなぁ。)、ゴンになついている(かわいいからだとよ)。

オレは…ないがしろにされてる気がする。何故だ?

しかもゴンとクラピカによく抱きつきやがる。アイツらもまんざらじゃねぇしな。(怒)

だいたいオマエが気安く他の男に笑顔を向けたり、そういうことをするからオレが嫌な目にあうんだよ。

(そいつはオレのだ!オマエらくっつくんじゃねぇ!!)

なんて言ってやりたいが、そんなこっぱずかしいことアイツらに言えやしねぇ。

まぁ、正直言うと、後が恐いというのもあるけどよ。

なさけないけどオレには何も出来やしねぇ…むかつくな。




ある日、オレは窓辺でたそがれていた。(笑うな、そこ!)

(窓辺に立ち、憂いを含んだ表情で雨を眺めるオレ。絵になるな、ウン。)

そんなことを考えながら何気なく下を向くとと目が合った。

はどんぐりまなこであまりにもじぃっとオレを見つめているので、

オレはついテレた顔をしてしまった。ちなみに身長差はかなりある。

「何だよ…オマエ見下ろされるの嫌いじゃなかったか?」

前にオレはに「見下ろすなぁ!!」と言われたことがあったのでそう訊いてみた。

(まぁ、あのときはオレが大人の余裕ってもんを見せて、頭なでなでしてやったがな。)

と心はにやついていたが、実はうっかりテレてしまっていた。

そのせいで声までそんな風になってしまったというのは間違いなくオレのミスだな…。

「んーん、別に。似合わないことやってるなと思って。」

「おい、オマエ…(怒)」

「気にするな。」

「気にするよ(怒)。」

やっぱりコイツはオレの繊細な(?)神経を逆なでしに来やがったんだな。

そう思っていると、しばらく沈黙状態になっているのに気がついた。

ん…今日はやけにあっさりしているな…。いったい何が言いたいんだろうか?

オレはさらによく考えてみた。

すると、恋人と2人っきりで、しかもその恋人はすぐ真下にいるという、今の状態を考えてしまった。

これが普通の女なら、いいムードになってキスの一つや二つしているんだろうけど、

コイツとじゃいまいちムードがでねぇ…。

オレらは本当に恋人同士なのだろうか? そう思うこともしばしば。

確かにぱっと見はナイスミドル(自分で言ってて悲しくなるぜ…。)とその娘(童顔だしな)のようだ。

何も知らない人はオレのことをロリ趣味の犯罪者と思うかもしれない。

実際10代のオレでも時々こうやって疑問が胸の中を渦巻くしな。

…やっぱりなさけねぇぜ…

レオリオは渇いた笑いを浮かべるしかなかった。

ふとの方を見ると、はオレの知らぬ間に、

手を一生懸命に伸ばして、オレの首の後ろに両手を置いていた。

そして無意識のうちに、顔の位置を低くさせられてしまったことに、オレは気がついた。

「?」

真下にあったの顔はそのせいでますます近くに見える。

はオレの目を見つづけていた。

(コイツ目ぇ澄んでんな・・・。)

そう思った矢先にオレはなにかにとらわれた感覚を覚えた。

…チュゥ………

--------------!!

そしてまともな意識を取り戻したとき、オレたちの唇は間違いなく触れ合っていた。

(…//////

いつの間に背伸びをしたのだろうか…。オレは目を真ん丸くするほかにことがなかった。

しばらく…いや、客観的に見るとほんのひとときなのだが、

オレにとっては不思議なくらい長かった。そしてオレ達は再び視線がかち合った。

オレはコイツがほほを赤くしながら、これ以上はないってくらいの笑顔で、

「レオリオ、大好きだよvv」とでも言われるかと思ったが、予想はあらかた外れてしまったようで、

はすぐにそっぽを向いてしまった。

でもそっぽを向かれても、彼女の変化を見つけられるってのが彼氏ってものなんだろうな。

「耳…赤いぞ…。」

「…………………」

「わけわかんねぇ奴。」

そう言ってオレもそっぽを向いてやった。

わけわかんねぇ奴

でもそんなところもかわいいと思ってしまうあたり、オレもアイツらと同じくに惚れてるんだろうな。

なんせコイツは皮肉言い合える奴が好きみたいだしな。

趣味は悪いと思うけど(でも俺に惚れてるってのはいい趣味だな)ピッタリだぜ、オレたち。




オレに本気に乱暴するオマエヘ。オレだけになつかないオマエヘ。

…そして俺だけにキスをしてくれるオマエヘ。

「大好きだぜ。」

----- fin -----




あとがき


アハハハハハ…。前半ひどっ。さんの悪口書いてごめんなさいね。

まぁ初のレオリオドリームなんで。また変なのは…書けたら…。



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