あれから(再会inアイアイ)いくらかの時が経った。 私は相変わらずマイペースにGIで過ごしていた。 そんなある日、全体放送が流れた。 それを聞き、私はふわりと笑った。 「磁力(マグネティックフォース)オン、ゴン!」 激闘の末、ゴンたちは99種のカードを手に入れた。 残すはナンバー000、最後の1枚。 プレイヤー達はぞくぞくとゴンたちのもとへ集まってきていた。 「久しぶり。ってこの前に会ったね。」 「!」 「カード集めたんだね。おめでとさん。」 ゴンはとても明るい顔で私を迎えてくれた。 それにキルアが口を挟む。 「つーか、大変だったんだぜ!」 二人に思い出されるのは過酷な戦い。 レイザー戦、そして爆弾魔(ボマー)戦。 ダメージは大きかったが、それと同時に得たものも大きかった。 それを私は聞いた。 「どおりで…良い顔してると思った。」 「エヘヘ。」 照れくさそうに笑むゴン。 しかしキルアはそれとは違った顔をしていた。 呆けていたといったら怒るだろうか。 キルアはわずかに神妙な顔でこちらを見ていた。 放送された内容は、ナンバー000入手のための課題。 それはプレイヤー全員によるクイズ大会。 指定カードに関するクイズが出され、 その正解数が最も多いものにナンバー000のカードが贈られる。 「クイズか…。」 「アタシ達はどうする?」 「それぞれちゃんとクイズ解こうよ。」 「な。」 「成績悪かった方が罰ゲームな。」 「よし、のった!」 ゴンとキルアの二人が盛り上がる。 本当に楽しそうだ。 そして、クイズは始まった。 ・ ・ ・ 「終了ーーー!」 クイズが終わった。 どうやらゴンもキルアも自信満々の様子。 私は…まぁ、そこそこだろうか。 すぐに最高得点者は発表された。 「最高点は100点満点中87点!プレイヤー名、ゴン選手です!」 「やったぁーーー!!」 ゴンとキルアは二人仲良く歓喜の声をあげた。 ナンバー000のカードはリーメイロという城下町の城で渡されるとのことだ。 ゴンたちの厚意により、私も城の手前までついていくことにした。 そして、ゴンは城の中へと行く。 「いってらっしゃい、ゴン。」 「うん!」 ゴンが城に入った後で私はキルアのほうへ視線を移した。 「さてと…ねぇ、キルア。」 「何?」 「あのときの続き、聞かせてくれないかな?」 「はぁ?」 「アイアイで会ったときの」 「あ。」 その言葉を引き金に、記憶がフラッシュバックされる。 「恋愛するなら…キルアのが良いよ。」 「なら俺と…」 キルアの顔にわずかに動揺の色が宿る。 その雰囲気を察知したのか、ビスケはこそこそと私達から離れていった。 「そういえばお前はどうだったんだ?GI?」 残念ながら話をはぐらかす気らしい。 「楽しかったよ。…黒髪長髪のお兄さんとの恋愛。 (そういうキャラがいたんだよね。つい相手にしてしまったわ。)」 「何だそれ!」 お、いい反応。 ぱっと思い浮かぶ人がいるというのはさておき。 (深いことはしていないんだけどね。) キルアは複雑そうな顔でこちらを見ていた。 「ねぇ、聞かせてほしいな。」 やわらかく染み入るような声。 けれど、キルアは口をつぐむ。 私は、かまわず話を続けた。 「もうそろそろしたいなって。本当の恋愛。」 「…相手は?」 渋々とキルアが口を開いた。 「…あなた次第。」 ニィッとわずかに唇を引き上げた。 「あ〜もう、わかったよ!俺はが好きだ!だから俺にしとけ!」 照れを全面に見せ付けるキルア。 その言葉を聞いて、私はいかにも満足だという顔をした。 「私もね、キルアの事好きだよー。」 うそじゃない。彼を見ていて確信した。 そして私はキルアの胸の中に優しく埋もれた。 そこにゴンが帰ってきた。 「キルア!…って、何してんのー!!」 抱き合う私達を見て、ゴンは叫んだ。 しかしそれすらも私達の耳には入らず。 後に、やけにうれしそうな顔をしたビスケが発した言葉により、 ゴンはまた叫び声をあげた。 「キルアもやるよのさ。こんなところでカップル成立するなんてね♪」 「えぇーーー!!」 動き出した運命の歯車は、ここでかみ合い、また共に動き出す。 ここから私達の「恋愛」が始まる。 ---END--- |